CITESについて

雑記

2019年、紆余曲折ありつつもジュネーブで開催中のワシントン条約締約国会議の話題がTLを賑わせています。今回はCITESについてツラツラとできるだけ分かりやすく書き連ねてみたいと思います。ちなみに専門家ではないので、詳しいお話が聞きたいのであれば自然環境研究センター(リンク)に問い合わせる事をオススメします。またここが違うぞ!という場合はTwitterの方へお願いします。

またCITESにかかってる野生種を飼うことの倫理性についてはここでは一切触れません。申し訳ありませんが、その手の議論はご遠慮ください。

 

CITESと種の保存法について

この趣味をやってる人ならCITESというワードについては聞き覚えがあると思います。詳しい話は避けますが、CITESとはワシントン条約の事で、絶滅の恐れがあり取引に規制が必要な動植物を附属書(対象リストの事)に掲載し、国家間の取引を制限する目的があります。附属書には附属書Ⅰ、附属書Ⅱ、附属書Ⅲの3種類ありますが、Ⅲについては今回の話からやや逸れるので除外します。附属書については以下の通り

 

附属書Ⅰ

ここに記載された動植物は近い将来絶滅の危険性が高いため、商業目的のでの国際取引は原則禁止となります。ジャイアントパンダやゴリラ、トラをはじめ、爬虫類でいうとコモドオオトカゲ、ウミガメ、ビルマホシガメ等が附属書Ⅰに記載されています。

国際トレードの場が閉じられているため、基本的には日本には現時点でいない附属書Ⅰ記載の動物は飼うことが出来ないと思った方がよいでしょう。

 また例え密輸しようにも登録票が無いと販売ができません。個人的に、ですが附属書Ⅰでこりゃ密輸個体だろ、ってのが表だって販売されているのは見たことがありません。(裏では知りません)

附属書Ⅱ

附属書Ⅰより規制は弱いです。附属書Ⅱに記載されると、輸出国の許可なしで輸出できないことになっています。(イヤレスモニターの時にインドネシア政府が騒いでたのはそういう背景があったからです)。

将来的に絶滅する恐れがある種の国際取引に制限をかけ、現地の捕獲圧等を下げ環境を整える目的があります。

附属書Ⅰに記載されている種は1000種ほどですが、附属書Ⅱは約35000種にも上り、附属書Ⅰ以外のリクガメ、モニター、パイソン辺りは実は全部附属書Ⅱに記載されてたりします

 

種の保存法

国内での希少種の取り扱い関する法律なんですが、附属書Ⅰに掲載された種は、国内希少種と同様に厳しい制限がかかります。具体的に言いますと

  • 販売目的の陳列又は広告の禁止・・・17条
  • 譲渡、売買、貸借等の禁止・・・12条
  • 輸出入時の承認の義務付け・・・15条

の3つの制限がかかります。ただし該当機関に登録をし、登録票を受けた場合は販売、譲渡が可能になります。

 

ポイント

CITESⅠだからって飼ってはいけない訳ではない

附属書Ⅰに記載されている動物であっても飼育できないという事ではありません。CITESも種の保存法に関する制限も基本的には取引に関する物であって飼育を禁止している訳ではありません

例えば附属書Ⅰに指定されていても、正しいルートで日本に入り、登録票を掲げて販売された物を購入したのであれば、他の動物とそれほど変わらず飼育する事ができますし、附属書Ⅰに記載される前に購入したインドホシガメをそのまま附属書Ⅰに指定された後も登録せずに飼育し続ける事は違法ではありません。

しかし不測の自体で他人に譲渡しなくてはいけない場合、病気で手術が必要になり獣医に預ける場合等でもしっかり法律にひっかかりますので、基本的には登録した方が良いと私は考えます。

マイクロチップの影響に関してはここでは記載しません。

 

CITESⅡは関係ない?

附属書Ⅱに記載されても国内での取引が規制される訳ではありません。実際にボールパイソンやサバンナモニターはクリーン?なルートで国内に入りますので、これらの種が附属書Ⅱに記載されてる事を気にするのは輸出入に関わる人だけでしょう。CITESⅡに記載される事でペットトレードに与える影響は

 

  • 輸出入に時間と費用がかかる様になり、値段が大きく上がる。
  • 現地の法や政府の意向や次第では輸出の許可自体が出ない。
  • 密輸個体を掴まされる可能性が高くなる。
  • 附属書Ⅱから附属書Ⅰに移行があった際に通関に関する書類が必要になる。

 

と大きく分けるとこんな感じでしょう。購入の際はそれほど重く感じる必要はありませんが、ある程度気に留めて置くほうがいいでしょう。

ブリードが盛んに行われている種であれば基本的には問題ないのですが、ブリードが難しく、出回るのが主にWC個体である種類に関しては今後附属書Ⅰに移行する可能性を考えておかないと後々面倒な事になるので注意しましょう。

また国家間取引に関する規制のため、入ってきてしまえばよかろうの原理で密輸を試みる輩も多少います。

 

CITESへの対応

会議で附属書記載が決定されても、実際には規制が始まるまで猶予があります。ここから先も何度も書きますが、実際に規制が始まる前に書類をかきあつめる事、環境センターに指示を仰ぐ事が大前提です

 

附属書Ⅰに記載されている生体を購入する場合

 

手続き等に関してはまともなお店であれば、必ず販売員が詳しく説明してくれます。注意すべき点は登録票を掲げていない物を購入しない事、登録票は5年で期限が切れるので再発行しなくてはいけない事、そして生体を譲渡する場合等に手続きがある事です。詳しくはこちらを参照してください。

超希少種を飼育する訳ですから、これらの事は知らぬ存ぜぬでは済まされません。必ず全ての事項を把握する必要があります。何かあった場合は自然環境研究センター(リンク)に連絡を入れ、指示を仰ぐのがいいでしょう。

 

附属書Ⅱに記載されている生体を購入する場合

 

先程記載した通り、ブリードが進んでいない種を購入する場合は注意が必要です。今後附属書Ⅰに移行する可能性が少しでもありそうな種に関しては、通関書類が出せるかどうかを購入前に聞いておきましょう。基本的には出せる、もしくはこういう理由で出せないとちゃんと教えてくれますが、これを渋るタイプの店は基本的に付き合っても良いことがないので見切りましょう。

 

附属書に記載されていない生体を購入する場合

 

附属書未記載からいきなり附属書ⅠやⅡに記載されるケースも少なからずあります。こういう場合はとにかく記載前から飼っている事を証明できる必要がありますので、購入時に渡される書類や領収書をしっかり保管しておきましょう。それらの書類がない場合は獣医への通院証明(獣医さんに相談してなにか書類は出せるかと聞いてみましょう)を取って保存しておきましょう。

 

飼っている生体が会議で附属書Ⅰに記載された場合

 

登録票を取らないのであればそのままでも良いですが、その場合でも今後のトラブルに巻き込まれないように購入時の書類をしっかり残しておきましょう。登録をする場合は、附属書なしからⅠに記載された場合は記載以前から飼育している事を証明する書類(領収書、販売時説明書、動物病院への通院証明等)を、附属書ⅡからⅠへ移行する場合はそれに加えて通関に関する書類(原則公的な物でないとNG)が必要になります。

私は2回ほど登録票を取ったことがありますが、登録に関する審査は意外と事務的お役所仕事的な審査で無く、各書類以外にも写真はあるかと聞かれたり、結構様々な部分を総合的に審査された様に感じました。とりあえず書類が無い!って人も、怒られる事はないので、ダメ元で自然環境研究センターに連絡を入れて指示を仰いで見ると良いかもしれません。ヨウムの件である程度譲歩してくれたという話を聞いたことはあります。(爬虫類関連は厳しい顔をするという噂もありますが・・・)

 

飼っている生体が附属書Ⅱに記載される事になった場合

 

これは個人的な考えでもあるのですが、今この情勢で附属書Ⅱに記載される種は、今後附属書Ⅰに記載される可能性が高い物が多いです。(トッケイ辺りはかなり微妙ですが、今後無いとも言い切れません。)

ので必ず購入時の書類を残しましょう。施行日が差し迫ってるけど書類なんてない!という場合は速やかに獣医へ行き通院証明を取り、それを保存しましょう。今後附属書Ⅰに記載される場合に必要書類として提出する事ができます。

 

最後に

個人的にこのクラスタの人間としては、やはり附属書Ⅰ、Ⅱに記載されているトカゲに関してはある程度ブリードを意識して飼育して欲しいと思っています。あくまで飼育者をいじめるための条約では無く、種の存続のための物なので、その事はきっちり頭に入れておきましょう。

ただ附属書に書かれていようがいまいが、飼育者は生体を適切に終生飼養する責務があります。附属書ⅠだからⅡだから、ではなく全ての生体を全力で世話をしていくマインドを持っていきたいですね。

あと書類はちゃんと保存しましょう。それが一番です。

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