アカメカブトトカゲ、モトイカブトトカゲ 飼育メモ

ゴツゴツした無骨なフォルム、日本の家屋にちょうどいいサイズ、そして控えめなお値段。手軽にドラゴンが味わえるという事で実はかなりの人気があるトカゲです。

マニアック、需要がない、なんて飼育している方は言いますが、売上やらなんやら見る限り確実にメジャー種です。

私のブログの中でも最も需要がある情報のようで、今回は飼育メモを更新し、より深く掘り下げていきたいと思ってます。

 

執筆時の飼育状況

現在はモトイカブトトカゲペアのみ飼育。飼育経験数10匹程度、繁殖4回。F2誕生

基本情報

カブトトカゲはニューギニア、ビスマルク諸島、およびソロモン諸島に住むトカゲの仲間達です。ゴツゴツしたワニのようなウロコを持っています。

主に日本に入ってくるのはアカメカブトトカゲ、モトイカブトトカゲの二種です。シュミットカブトトカゲのように稀に入荷される種もいます。水辺の近くだったり、熱帯雨林の林床に生息しています。

アカメカブトトカゲとモトイカブトトカゲの外見以外の違いはほとんどありません。モトイカブトトカゲは体色がやや薄く、目の周りが赤く発色しません。

 

 

 

以前はニューギニアカブトトカゲなんて名前で大した区別もなくガンガン輸入されてたりしましたが、その辺の話は今はあんまり関係ないのでスルーします。
モトイの方が値段が高い傾向にあったのですが、最近では値段の差もほとんど無くなってきましたね。アカメかモトイか、飼育に関してはそれ程差はありませんので、見た目の好みで選びましょう。

 

 

  • サイズ・・・アダルトで全長20㎝前後。頭胴長10cm程度。 アダルトの平均的な重さは38~45グラム。
  • 寿命・・・飼育下では5年程度。10年以上生きた例もありますが、販売されている生体はWCが主流のため捕獲時の年齢によってどのぐらい生きるか大きく差が出ます。
  • 温度・・・年間でそれ程温度差のない気候に生息しています。25~28度を維持するような環境を作る必要があります。寒すぎるのも問題ですが、若干ひんやりするぐらいでの維持が調子良い様に思います。
  • 湿度・・・かなり湿度の高い環境に生息しています。70~100%に維持する必要があります。ただし高温多湿が好きなわけではありません。蒸れは厳禁です。また、乾燥すると肌割れが起こります。状態も下がる一方なので、乾燥させて良いことはありません。特に水切れには注意が必要です。スコールがガンガン振る地域ですからね。水分は大事です。
  • 照明・・・基本的に夜行性のため、必須ではありません。飼育下では昼間に行動する事もありますが・・・生活のメリハリをつけるため、また観察のため出来るだけお昼、もしくはお昼に設定したい時間帯はライトを点灯させた方がいいです。

 

また独特な習性を持ちます。

 

  • 夜行性で昼間は落ち葉の下や枯れ木の下や割れ目等で休んでいます。よくアクアテラを気合入れて準備している方も多いですが、沼地や渓流の岩場の割れ目みたいな所にはいないとの事です。
  • 発声機能を持ち、危機を感じたりすると「グゥ」等の声を出します。夜中に極稀にグーグー鳴いてたりするけど、何を考えているかはよくわかりません。盛ってる訳でもないと思うんだけど・・・。
  • 持ち上げると糞を垂らす事があります。この辺は他のスキンクと共通ですね。
  • 危機を感じると死んだふりをすることがあります。つかむと大体硬直しますね。慣れてる訳ではありませんので調子に乗らないように。
  • 水場を好むかどうかは個体差による部分が大きいですが、長時間水の中に浸かっていると、皮膚から血がにじむ事があるので注意が必要です。

ケージセッティング

ケージ

ケージは1匹につき最低底面積1,000㎠は用意したい所。1匹であれば45㎝×30㎝×30㎝、2匹であれば最低60㎝×30㎝×30㎝ぐらいのケージが欲しい所ですね。それ程ガチャガチャの動くタイプのトカゲではありませんが、ケージは広いほうが温度帯のとり方も楽なのでオススメ。

 

  • 理想は風通しが確保されていて管理のしやすい爬虫類専用ケージ。 グラステラリウム、水を張るなら深さのあるケースバイケースがオススメ。特に植物等でレイアウトにこだわりたい場合等はこちら。

 

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  • 熱帯魚用の水槽でも可能。見た目も損なわずに、水が張りやすくなるが、通気の確保のために上部を網蓋にするなどの工夫が必要。
  • 低コストで抑えたいのであればプラケや100円ショップのビデオケース等でも飼育が可能。ただし見栄えは悪い。

 

床材

湿度を保ちやすい床材を選ばないといけません。ただ全面湿らすのではなくドライな部分も用意しなくてはいけません。特にアクアテラリウムで水を張りたい場合は注意が必要です。

 

  • ヤシガラ・・・安くて湿度を保ちやすい優秀な床材。ダニが沸く事があるので3か月~半年程度で汚れ方に応じて交換する。100円ショップで売っているような安価な物は塩素を含んでいる事があるので、使う場合は自己責任で。
  • ピートモス・・・ヤシガラと似た特性を持つ床材。産地によって性質が結構違うので使う場合はしっかり下調べをして性質を把握しておくのが吉。
  • 腐葉土・・・おそらく生息場所にもっとも近い床材。糞の分解も早いが、その分ダニ等の分解者もわんさか沸くので衛生的管理を目指す場合はこまめな交換を行うか使わない事。また、土の表面は結構乾燥しやすいのでコマメに霧吹きをかける。使う場合は黒土の上にかぶせるように使う。
  • 水苔・・・保湿がしやすく抗菌性もある。小型のケースやプラケの床材として使う事も出来るが、シェルター内部等ピンポイントで湿らせたい場合に使う事も出来る。安物はさくっとカビるので注意。
  • 砂利類・・・大磯砂等。保湿性は皆無。水場を作る場合等に使う。アクアテラリウムを作る場合でも砂利場だけでなく土の部分も作る必要がある。個人的にはあまりオススメしない。
  • 極床・・・レイアウトするのであれば断然オススメな床材。壁にも貼り付ける事が出来るので、かなり細かいレイアウトが可能。

 

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照明・保温

カブトトカゲは紫外線をあまり要求せず、またバスキングスポットを作るのではなく全体の温度を管理する必要があります。

 

  • 紫外線・・・意識して浴びせる必要は特にないと思う。昼夜のメリハリをつけるためにライトを使用する場合は明るさが強いUVB5.0、UVB2.0の蛍光灯やフルスペクトルランプを使う。灯りの周期は冬場10時間、夏場は14時間程度。
  • 観察用ライト・・・夜行性の上、シャイなトカゲなので灯りをつけているうちは出てこない事もある。観察したい場合は生体があまり認識しない赤や青のライトを使うのが吉。専用の保温球を使うか、温度を上げたくない場合は野外用のカラーLEDを使うのも可。
  • 保温器具・・・25~28℃に保つ必要がある。意識しなくてはいけないのは冬場の低温夏場の高温。低温対策は散光型の保温球や暖突等の上部パネルヒーター、ピタリ適温等の底面パネルヒーターを使う。温度維持に自信がない場合はサーモスタットを使う(特に暖突を使う場合、ケージが小さい場合はサーモスタット必須)。夏場の高温対策は扇風機で風を当てて気化熱を利用して温度を下げたり、ペットボトルに水を入れて凍らせた物を入れる等する。もちろんエアコンで管理してもOK。扇風機を回す場合は乾燥と、直接生体に風を当てない点は考慮すべし。もし生体への負担を減らすのであればケージ内の空気を吸い出すようにファンを回すとこれはこれで効果的。

 

冬場の保温時の注意点として水場を集中的に暖める事で水にずっと浸かっている状態を作るのはできるだけ避けましょう。皮膚からの出血や呼吸器感染症の原因になる場合があります。

 

レイアウト

  • 水場・・・必須。砂利や濾過機を使って凝った物を作るのもいいし、タッパや小型の睡蓮鉢を入れてもいい。水浴び場トイレの用途で用いられる。こまめな換水が必要になるのでやはりタッパ等が管理が楽でオススメ。水切れは死に繋がる。
  • シェルター・・・必須。かなり陰気な性格なので生活の大部分はシェルターで過ごすので重要。ただ本気でレイアウトを組むと本当に姿を現さなくなるので、飼っている意義を感じたいのであれば程々にしておこう。
  • 風通し・・・必須。湿度の高い環境を好むが高温多湿を好んでいるためではない(生息地は熱帯雨林だが、生体自体は温度が低めの林床等に好んで住む)。夏場に扇風機、サーキュレーターなどで人工的に風を作る場合は乾燥に気を付ける。また生体に直接風を当てると弱ってしまうので、オブジェを多く置いて風の流れを複雑化させたり、直接生体に風が当たらない様にする工夫が必要。
  • 植物・・・必須ではないが植物でレイアウトするとかなり映えるのでオススメ。ただし、コケや小型の植物はかなり踏み荒らされるのでしっかり固着させる必要がある。ポトスのような丈夫な植物をポンっと植えておくだけでもケージの雰囲気が大分変わる。餌の逃げ場になるので注意。普通に植えても根腐れするのがオチなので、底面の水はけを確保するのが吉。
  • 餌皿・・・必須ではないがワーム類を与える時に便利。特にレイアウトにこだわると生き餌類は溺れ死んだり、捕まえられない所まで逃げ込んだり面倒な事になるので重宝する。
  • 流木・・・見栄えもよく、シェルターにもなる。穴が開いている物なんかは詰まって出てこなくなる事もあるので注意。苔を固着させるとさらに見栄えがよくなるが、剥がされる

 

私の飼育ケージはこんな感じです。

 

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水入れは睡蓮鉢、流木、ポトス、シェルターは床材はヤシガラ、照明はフルスペクトルランプと赤LEDの両方を使っています。

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掃除も楽なシンプルなセッティングです。ポトスは非常に丈夫なので滅多に枯れません。リセットは何度か行いましたが、現在ペアで飼育中です。繁殖も3度成功しました。

 

 

 

コオロギレッドローチ辺りをメインにしましょう。ただし、日本で一般的に手に入るミルワーム、ジャイアントミルワーム、ハニーワーム等は栄養価が偏っているので与えるにしても頻繁に与えてはいけません。

餌の頻度はアダルトであれば3,4日に一度、食べるだけ与えます。生後半年ぐらいまでは毎日、一年目ぐらいまで2日に一度与えます。サプリメントはビタミンD3が含まれているタイプのカルシウムパウダーを毎回振り掛けてあげます。マルチビタミンの粉末は週に1度程度振り掛けて与えてあげましょう。

 

注意点

爬虫類飼育初心者に好まれる種で、初めて飼う種としてアカメカブトトカゲ、モトイカブトトカゲを選ぶ方が多いですが、基本的に神経質で環境の変化にそれほど強くない種類です。

長生きさせたいのであれば、「頻繁なハンドリング(触ったり手で持ち上げる行為)」、「ケージ内から出して、部屋に放したりする」のは避けましょう。そういう飼い方が出来る子ではありません。うちの子は好奇心がある!うちのは慣れているから大丈夫!なんて思わないでください。飼育のヘマというのは積み重ねです。ある日突然来ますから、こういうのって。

本来であれば「ケージの前でずっと張り付いて観察する」ことすら好ましくありません。たまに覗いたらなんとか生体の息遣いを感じられる、そういう飼育圧のない飼育法がベターだと思います。それで満足できないのであれば、ある程度触らせてくれる中型爬虫類を飼いましょう。

また、個人的見解ですが、アカメやモトイは半水棲トカゲではないと思っています。生息地はあくまで涼しげな林床がメインであり、アクアテラリウムは溺死や皮膚病の原因になるケースが多いです。特にちょっと体調が落ちたり、温度が下がった時の溺死は、事故ケースとしては非常に多いです。

 

繁殖

雌雄判別

繁殖を狙う場合はペアで飼育する必要があります。基本的にそこまで喧嘩をする種類でもありませんが、相性によってはケンカもするので注意です。ベビーをかみ殺したり、相方の尻尾をかじり切ったり、なんて事も普通にあります。

 

判断ポイントは三つ。

  • サイズ・・・アダルトになるとオスの方が大きいです。WCなので年齢が分かりにくいですが一つの判断材料にはなります。
  • 腹・・・オスの下腹部には部分的に特徴的な厚い鱗があり、茶色が少しかかります。

 

 

  • 後ろ脚・・・オスは後ろ足に特徴的な鱗が出ます。多分ここが一番判断ポイントとしてわかりやすいです。

繁殖行動

基本的に冬眠をしない種類なので繁殖期は一年中です。これは飼育下でも同様です。なので殖やすつもりがないのであればペア飼育はしない方がいいですね。性成熟は約3年です。

交尾は他のトカゲと一緒でクビに噛みつき、総排泄腔を重ね合わせるように行います。ケンカしているようにも見えますし、実際ケガを負う事もあります。繁殖を狙っているのであれば邪魔せずに、ただし殺さないように注意深くチェックをしてください。

シュミットカブトトカゲはカブトトカゲの仲間の中では例外的に卵胎生です。

産卵数は基本的に一つです。卵巣を二つ持ち、年間六度程に分けて産卵します。抱卵にはカルシウムや栄養を大量に消費するので、カルシウム等のサプリメントを徹底して与えてあげましょう。

コツとしましては、広めのケージに♂2、♀3~4位を入れて置く事です。特に広め、というのが割りとポイントだと思います。

 

孵化

卵は28℃程度で管理します。孵るまで65日程度です。卵はハッチライトのような専門的な卵床を使うのがベストですが、バーミキュライトでも構いません。これは個人的な感想になりますが、そのまま放置して置いても普通に孵ると思います。ただ、親が子を食う事もあるので、ハッチしたら速やかにベビーを回収した方が無難です。

孵ったベビーは6~8㎝、3~5g程の重さです。

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