キタチャクワラ 飼育メモ

トゲオアガマのカウンターパートと言われますが、正直言って全然別物です。

 

執筆時の私の飼育状況

♂1、♀2。♀1匹死亡。3年半程度。交尾確認。ただし無精卵。


アガマとよく似た見た目をしていますが、北米産のトカゲという事でイグアナの仲間です。(アガマはアメリカ大陸には生息しないので)

 

地域によって様々な特徴が出るので、バリエーションが多く、コレクション性が高いトカゲとも言えます。ただし基本的に地域によっての特色が出るのは雄のみ(雌にもほんのり出る事もある)で、雌は地味な見た目をしている事が多いです。

 

上はカリフォルニアの地域個体であるカリフォルニアレッドバッグ。背中が赤いのが雄、地味な灰色の方が雌

 

飼う前に知っておきたい事

 

  • お値段は時期や生体のクオリティによって違います。基本的に4~5月に大量入荷される事が多いです。ただし、値段が安い生体は、駆虫されていなかったり痩せていたりする物が多いので注意が必要です。最初の目利きで半分以上決まる節があります。目利きの自信がある人は、入荷直後にクオリティの高い個体を見定めて購入するのがオススメ。自信のない方は長期キープされている生体やCB、もしくは飼育がしやすく巨大になるトゲチャクワラ(エンジェルアイランドチャクワラ)を飼育しましょう。トゲチャクワラの方が遥かに飼育しやすいと言われています。
  • 超過酷な生活環境に住んでいるから、丈夫で飼育しやすい、と思われがちですが、イマイチ飼育実績が上がらない事で有名です。ワイルドの一部トゲオアガマの様な立ち上げの難しさこそありませんが、飼育していくうちに徐々に体調を落としていくことが多いです。初心者でも飼えない事はありませんが、爬虫類の飼育経験がない人がフトアゴと同じ感覚で飼うと落としてしまう事があります
  • 完全草食です。虫が必要ない!楽だ!と思う方も多いと思いますが、虫でエネルギーを付けられない事の難しさを思い知るトカゲと言えるでしょう。野菜というのは栄養価がとても偏っているので、様々な野菜を意識して与えないといけません。飼い主より良いサラダをトカゲが食べているというのは、チャクワラをはじめとした草食トカゲの飼育においては往々にして起こる事なんです

 

飼育に必要な物・不要な物

  • ケージ・・・ケージサイズは大き目に越したことはありません。樹上種に勝るとも劣らない高い空間把握能力を持つトカゲなので、1匹で飼育する場合でも60×45×45では狭いと思いますし、高温のホットスポットが必要なチャクワラにおいてはオーバーヒートの可能性もあるので、最低90×45は確保してほしい所です。1匹であれば90×45×45、ペアやトリオであれば120×45×45は最低用意した方が良いと思います。岩山に生息するトカゲなので立体運動もお手の物です。高さのあるケージだとさらに自然な姿を見る事が出来ます。自作ケージを作る場合、尿が多いこと、身体能力が非常に高く壁登りをする事を考慮して、パネコート材を使うのが個人的にはオススメです。あとはジャンプ力もあるので脱出対策も必ず行いましょう。
  • 床材・・・基本的にこだわらなくてよい部分ですが、湿度をあげないのが前提です。ウォルナッツサンド、チモシーやアスベン、バーグチップ等でも良いです。食べ残しの野菜を散乱させて床材にしている人もいるぐらいです。また人工芝の場合はリアルなタイプの人工芝は剥ぎますし食べますのでNGです。
  • 餌皿・・・餌が床材と混ざらないようにするために必要です。キタチャクワラは力があるので、ひっくり返さない、ある程度重みのある物か、浅い物を選ぶのが吉。ぶつけてケージのガラスを割ったりしないように注意しましょう。
  • 水皿・・・水分は野菜から摂取しますので、基本的には不要です。水皿から水を飲むことはまずなく、湿度を無駄に上げる原因になります。この子は本物の乾燥帯の住人なので、湿度に対してはできるだけ敏感になりましょう。
  • 照明・温度・・・メタハラをはじめとした強力なUVB源とホカホカのホットスポットが必要です。ここはケチらないように。逆に夜間は温度を下げてあげないと、長期的にみて甲状腺等を悪くしてしまい、短命になるケースもあります。ただし夜間の温度を下げてしまうとこれはこれで痩せてしまうので、導入後しばらくはパネルシート一枚挟んであげるのがポイントです。詳しくは後述。
  • サーモスタット・・・基本的には不要です。高温のホットスポットかしっかりあれば、ケージの端は別に10℃でも構いません。そういうトカゲです。オーバーヒートの可能性もありますが、逆にバスキングランプの熱だけでオーバーヒートを起こすような状況は室温が高すぎるか、ケージが狭すぎるだけです。バスキングランプは太陽の様な物で、温度だけではなく時間感覚等も司る太陽の代替品ですから、サーモでの管理は他の種でも個人的にはオススメしません。ただしケージサイズが狭い場合や、温度管理に自信が無い場合は命綱にもなりますので、導入するのもありだと思います。
  • タイマー・・・推奨です。電気代や電気の消灯点灯を忘れないためにもぜひ導入してください。
  • シェルター・・・これはどちらとも言えませんが、私の経験的に言えば、ちょっと飼育すればシェルターに隠れる事はほとんど無くなります。
  • 止まり木等・・・積極的に上るので止まり木を立てかけたり、布袋を天井からぶら下げたりすると面白いかも知れません。岩山を再現したい所ですが、崩れて生体がつぶされないように注意しましょう。

 

 

 

飼育においての注意

温度管理が大事

昼間と夜間の温度差が肝です。昼間は高温のバスキングスポットを用意し、夜は夜で温度を下げてあげましょう。

まず昼間ですが、バスキングランプには岩盤を置き、岩盤の温度をサーモガンで計って60℃ぐらい熱くしても構いません。キタチャクワラは一瞬で体温を上げてご飯を食べて休んで・・・というサイクルを踏みますので、ここが35~40℃程度だとバスキングの時間がやたら長くなり、食いや活性の低下に繋がります。

ただしこの高温でケージ全体がオーバーヒートにならない程度のケージサイズ、工夫、風通しが必要になります。バスキングスポットの温度が高ければ、後は端っこは何度でもいいです。賢いトカゲなので、好みの温度は自分で選びます。

夜は低温が基本ですが、本来の環境を再現して夜間思いっきり温度を下げるとどうしても痩せてきてしまう事が多いです。基本は無加温、秋季冬季は場合によっては保温球や暖突で15℃~20℃程度に基底を保ち、導入したてや痩せが目立つ場合はパネルシートを一枚かませてあげるのが良い感じです。夜間を高温にしても基本的にすぐに調子を崩すことはありませんが、長期的に見て甲状腺等を悪くしてしまう事がありますので、可能な限りで徹底してあげてください。

 

状態が収まってから駆虫

チャクワラはWDが多く、CBの場合でも親の糞をついばむ場合があるので、寄生虫を宿している場合があります。状態が悪くなってからでは手遅れになる場合もあるので、暇な時に糞の点検を獣医さんにお願いしましょう。

 

餌はバリエーション豊富に

餌は野菜を基本的に毎日。2、3日程空けても別に問題はありませんが、いかに野菜だけで太らせるかがキタチャクワラ飼育の最初のポイントなので、できれば毎日が理想です。

黄色の餌が好きなので、菊の花、菜の花、たんぽぽ、パプリカ辺りが大好物です。もちろん葉野菜も食べるので、小松菜や青梗菜、サラダ菜等様々な餌を与えましょう。ほうれん草やキャベツはNGとは言わないまでも、多用すると結石をはじめとした異常の原因になるので与えても二週に一程度に抑えましょう。基本的に灰汁の強かったり渋かったり辛かったり臭いが強い物は避けましょう(例えばニラやニンニクなんかはNG)。

理想はタンパク質が控えめな野草を利用する事なんですが、どの野草がいいかを選ぶには知識が必要ですし、農薬汚染や外の病原体を内側に持ち込む可能性もあるのでここではあえて推奨はしません。清潔さが確保できているのであれば、ヤブガラシや桑の葉、たんぽぽの葉、リュウゼツサイ、クズ辺りが良質な餌になります。

野菜の他にも豆類も好みます。が、豆類はタンパク質が多く、肝臓に負担をかけるので頻出は避けましょう。果物も糖分過多になりやすいので注意です。人工飼料は餌付く個体と餌付かない個体がいます。食べない子は食べないので、その辺りは運もあります。ショップでは食べたけどうちでは食べない、なんて話もチラホラ聞きます。

 

湿度管理

基本的に乾燥状態での飼育推奨ですが、脱皮不全はチャクワラにも普通に起こりうるので、脱皮の兆候がある場合は3日に一回霧吹きしてもいいです。温浴はデメリットの方が多く、現に私も失敗もしたことがあるので推奨はしません。糞まみれになった場合も濡れタオルで拭くぐらいにしてあげるのが吉です。

 

最後に

暇がある時には日光浴をさせてあげましょう。これをするとしないのとでは活性が大分変ります。

 

キタチャクワラの難しい部分や良くない部分を語りましたが、程ほどのサイズで賢くて動きのあるトカゲなので魅力の方も十分です。そのスペックの高さを引き出すにはある程度の投資と手間が必要ですが、見返りは保証します。ハンドリングも一応可能です。

ある程度慣れるとこちら側が手を伸ばすと飛びついてくるぐらいに慣れます。そこまで持っていけるかは飼い主さんの腕次第ですが。

健康な生体を手に入れて、セオリー通り飼育すればそれ程無残な結果にはならないと思うので、興味が出た方はぜひチャレンジしてみてくださいね。

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